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中東大戦争は今週始まる?

2008年4月6日   田中 宇

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 4月6日から、イスラエルで建国以来最大の規模といわれる軍事演習が開始されている。周辺地域のイスラム武装勢力から生物化学兵器を撃ち込まれた場合などを想定した避難訓練など、軍だけでなく一般市民をも対象に、5日間の日程で行われる。(関連記事

 イスラエルに接するレバノン南部に拠点を置くシーア派の武装組織ヒズボラは、この演習で仮想敵とみなされる勢力の一つだが、ヒズボラやレバノン政府の側では、イスラエルが演習の一環と称して国境沿いで軍事行動を行い、演習のふりをして、実際にヒズボラに対して攻撃を仕掛けてくるのではないかと警戒している。(関連記事その1その2

 イスラエル政府が今回の軍事演習につけた名前は「転機2」(ターニング・ポイント2)である。2006年にヒズボラと戦ったレバノンでの戦争を、最初の「転機」とみなし、今回は2回目の転機だということで「転機2」と名づけた。つまり軍事演習の名前は「ヒズボラとの次の戦争(に備えるもの)」という意味である。 (関連記事

 レバノンでは、ヒズボラはアメリカからテロ組織とみなされる反米組織(野党)だが、レバノン政府(シニオラ首相)自体は親米だ。今回は、ヒズボラだけでなくレバノン政府も、イスラエルが演習のふりをして本物の攻撃を仕掛けてくるとおそれ、シニオラ首相は、レバノン南部に駐留する国連軍(欧州諸国が主導)に対し、イスラエル演習中は警戒した方が良いと通報した。(関連記事

 イスラエルの北側は、レバノンだけでなくシリアにも接しているが、シリアも先週から、イスラエルに対する警戒を強め、予備役の兵力を召集したと報じられた。ヒズボラとイスラエルは2006年夏にもレバノン南部で戦争したが、この時はイスラエル軍による空爆がレバノン・シリア国境のすぐ近くまで及び、シリアが戦争に巻き込まれる一歩手前まで戦況が進んだ。シリアは今回、再びレバノン南部の戦争が自国に飛び火することをおそれ、対レバノン国境近くに3個師団を配備したとも報じられている。(関連記事

 シリア政府と、イスラエル軍の両方が、これらの報道を否定しているが、その一方でイスラエルのバラク国防相は、緊張の高まりを受け、予定していたドイツ訪問(一説によると訪米)を取りやめた。(関連記事その1その2

 イスラエル軍は、シリアは特に異様な動きを見せていないと言っているが、その一方で「ヒズボラが攻撃してきそうだ」「シリアとイスラエルとの誤解が戦争につながるおそれがある」「ヒズボラ側は、表向きは静穏だが、水面下で戦争準備を急いでいる」といった見方が、イスラエル軍の周辺から出ている。緊張は明らかに高まっている。(関連記事その1その2その3

 レバノンの情報によると、イスラエルの軍事演習の山場は4月8日で、ミサイル攻撃を受けた前提で、イスラエル全土で空襲警報のサイレンを鳴らし、防空演習を行う予定だ。イスラエルは、シリアなどアラブ連合軍と戦った1967年の第3次で、攻撃される前にアラブ側を先制攻撃をして圧勝した経験を持つので、今回も、ヒズボラやシリアから攻撃される前に、軍事演習を隠れ蓑として先制攻撃をかけるのではないか、とレバノンの分析者は考えている。(関連記事

(ヒズボラは、2月中旬に幹部の一人イマド・ムグニヤを暗殺された報復の攻撃をイスラエルに対して仕掛けると予測されてきた)(関連記事

 いったんイスラエルがヒズボラ、シリアと戦争になったら、パレスチナのハマスや、イランも参戦し、中東大戦争に発展する可能性が大きい。

▼重要なのは米イスラエル内部の暗闘

 私がみるところ、イスラエルとイスラム側との対立構造で最も重要なのは、イスラエル対イスラムの対立そのものではない。イスラエルとアメリカの、右派(正しくは、右派のふりをした隠れ多極主義者)と中道派(米英イスラエル中心主義者)との暗闘が、最重要の問題である。この暗闘は、右派と中道派がそれぞれ誰なのかという役者の全体像がはっきりせず、しかも私の独自の分析なので、多くの人に空想だと思われている。

 だが私がみるところの今の国際情勢は、この暗闘が、右派の勝利で勝負がつきそうな決定的な段階にさしかかっている。30年来の右派であるチェイニー副大統領が牛耳る米ブッシュ政権が、米国内の中道派を無力化し、来年1月の任期末までにイギリスやイスラエルの戦略を破綻させようとする仕上げの段階に入っている。

 この見方で国際政治のいろいろな動きを切ると、納得のいく説明がつく。中東情勢だけでなく、米英の金融危機、ドル安石油高、ロシアとの関係、フランスのサルコジ大統領の動き、チベットや台湾など中国関係の動きなどが含まれる。(関連記事

 イスラエルの右派は、1967年に中東戦争でイスラエルが西岸とガザを占領した後、70年代に占領地に入植するためにアメリカから大挙してやってきたユダヤ系の活動家たちを中心とし、イスラム側との和解を一貫して拒絶し、パレスチナ人を占領地から追い出すことを目標にしてきた。右派は、70年代に台頭した新政党リクードの中心的存在となり、占領活動に関連しているイスラエル軍や住宅省の中に深く入り込み、イスラエル政府が、イスラム側との和解や、入植地の撤去を試みるたびに右派が阻止し、イスラム側との敵対が強まって世論が好戦的になるほど、右派は政治的な人気を集めた。(関連記事

 イスラエルの右派は、アメリカのネオコン(ユダヤ人が多い右派の戦略家集団)とつながった存在だ。チェイニーはネオコンを重用し、強硬策をやりすぎて自滅的に米英イスラエルの覇権を自滅させている。このことから考えて、イスラエルの右派も、その中枢にいる人々は「親イスラエルのふりをした反イスラエル」「シオニストのふりをしたロスチャイルド(資本家)の手先」ではないかと疑われる。(右派の末端の人々は、純粋に「聖書に書かれた約束の地を守る」と考えて入植活動しているのだろうが)(関連記事

 イスラエルの中道派は、以前はリクードと対立する労働党だったが、イスラエルとイスラム側との長い敵対の結果、すでに労働党の和平路線は世論の支持が少ない。代わりに911後、中道的な動きをし始めたのが、当時のシャロン首相で、シャロンが2006年に脳出血で倒れた(やられた?)後は、シャロンが諜報機関モサドから引っ張ってきて政治家として育てたリブニ外相が、中道派の中心になっている。

 シャロンは、もともと右派の指導者だったが、911後、米ブッシュ政権が「テロ戦争」の強硬策を過剰にやってイスラム主義勢力を強化してイスラエルを潰そうとしていることに気づき、中道派に転換し「ガザ撤退」などによってパレスチナを隔離し、イスラエルが潰されるのを防ごうとした。リブニは、シャロンの戦略を受け継ぎ、現オルメルト政権の中で、何とかパレスチナ側(アッバス大統領のファタハ)にパレスチナ国家を作らせ、中東和平を実現し、情勢を安定させ、イスラエルの国家存続をはかろうとしている。(関連記事

▼自滅的な右派

 今のイスラエル政府は、中道派と右派の暗闘が激しい。シャロンが倒れた後、副首相から昇格しただけのオルメルト首相は、優柔不断で右派に流されやすい。リブニは、オルメルトに対してクーデターを起こしたりして、何とか政権を中道的な方向に持っていこうとしているが、もう一人の政権中枢の有力者であるバラク国防相(労働党)が最近、中道派のふりをした隠れ右派であるという本性を現し、事態を戦争の方に引っ張り込んでいる。(関連記事

 右派は、イスラエル政府内の住宅省を乗っ取っているため、政府が和平推進のため、占領地での住宅建設を禁止する決定をしても、それを無視して東エルサレムなどに前代未聞の規模で入植地住宅を建設する計画を進めている。東エルサレムは、リブニ外相ら中道派が交渉の中でパレスチナ側に譲渡し、パレスチナ国家の首都にしようと考えている場所である。

(占領地での住宅建設には国防省の許可が必要だ。バラクは国防相に就任後、それまで凍結されていた建設許可を一気に解禁した)(関連記事

 住宅省を右派に乗っ取られている限り、イスラエル政府はパレスチナ和平を進められず、このままだと近いうちにパレスチナ側は、親米親イスラエル的なアッバス大統領がクーデターで追放され、反イスラエル・親イランのハマスに席巻される。ちょうど今、パレスチナ和平交渉のため、米ライス国務長官がイスラエルを訪問しているが、和平が進展する可能性は、現状ではゼロだ。(関連記事

 右派はイスラエル軍の中にも網を張っていて、政権中枢の人々が知らないうちに、無茶苦茶なことをやる。たとえばイスラエル軍は、ハマスなどパレスチナ側がガザからイスラエルに向けて撃ってくる短距離ミサイル(カッサム砲)を迎撃する設備(アイアンドーム)の導入を進めたが、今年初め、実際に迎撃ミサイルを使おうとしたところ、飛距離が約2キロと短いカッサム砲は着弾までの秒数が短すぎて、4キロ以上の飛距離のミサイルにしか効かないアイアンドームでは迎撃できないことがわかった。(関連記事その1その2

 こんな問題は、導入する前に簡単に調べられたはずだ。迎撃ミサイルが使えない以上、カッサム砲を止めるには、イスラエル地上軍をガザに侵攻させ、泥沼の占領をやるしかない。国産技術を使いたかったのでアイアンドームが選ばれたと報じられているが、私からみると、右派のイスラエル軍幹部たちは、わざと使いものにならない迎撃ミサイルを導入させ、自国の戦争を泥沼化しようとした疑いがある。これは、イラク占領を異様に安易なものとして描き、米軍を意図的にゲリラ戦の泥沼に引き込んだブッシュ政権中枢のネオコンたちがやったのと、全く同じ構造の自滅作戦である。(関連記事その1その2

▼通信傍受する敵は誰?

 中道派にとっては、イスラエルの右派だけでなく、米ブッシュ政権(アメリカの右派)も問題だ。米軍は、3月初めからイスラエル北部(レバノン南部)の沖合に軍艦を派遣し、イスラエル軍の通信を傍受している。

 表向き、米軍艦派遣の目的は、ヒズボラとシリアを威嚇するためと報じられている。だがブッシュ政権はこれまで、イランを挑発して、イランからヒズボラやハマスへの支援強化を誘発し、イスラエルをけしかけて06年夏の自滅的なレバノン戦争を誘発するなど、敵を強化してイスラエルを潰す隠れた戦略としか思えない行為を続けている。米軍は、イスラエル軍の通信を傍受し、情報をイラン・ヒズボラ側にこっそり流すような、とんでもないことをやりかねない。

 イスラエル軍は、シリアの対イスラエル国境沿いにイランが通信傍受の施設を新設したと発表し、その対策として軍内の情報セキュリティを強化したが、実はセキュリティ強化の目的は、米軍に機密を知られないようにするためかもしれない。(シリア政府は、通信傍受は前からやっており、施設を新設したわけではないと言っている。)(関連記事その1その2

 イスラエルでは最近、右派の中にも「イスラム側と敵対しすぎて、イスラエルにとって危険な状態になっている」と考える人が増えている。ふつうに考えれば、自国が潰れるまでイスラム側と敵対すべきだと考えている人がいることの方がおかしい。だが、ここ数年の実際の展開は、右派の過剰な強硬姿勢のせいで、イスラエルは自滅的な敵対行為を続けてきた。(関連記事

 ヒズボラやシリアと戦争になったら、イスラエルの国家存続は危うくなる。4月6日からの軍事演習の中で、イスラエル軍がヒズボラを攻撃するのは自殺行為である。政権中枢で、戦争を誘発しようとする右派の動きを、中道派が止められれば、とりあえず開戦は回避される。

 その後も和平より戦争に傾きやすい状況は変わらないだろうが、来年1月のブッシュ政権の任期切れまで、イスラエルが戦争に入らずにいられれば、アメリカが次期政権になった後、イスラム側と和平を実現することも可能かもしれない。その意味で、今週の軍事演習を無傷で乗り切れた後は、今秋にかけての半年が、イスラエル国家にとっての次の正念場となる。

▼イラク政府を救ったイラン

 中東では今、イスラエル・レバノンとならんで、米ブッシュ政権が意図的に緊張を高めている場所がもう一つある。それはイラク・イランである。3月末、米軍傘下のイラク政府軍が、イラク南部の大都市バスラを攻略し、反米のゲリラ(サドル師のマフディ軍)が5日間の戦闘を繰り広げ、その後サドルが停戦に応じ、一応の平穏が戻った。イラク駐留米軍のペトラウス司令官は、このバスラ攻略の中で、イラン軍(革命防衛隊)の戦術担当者がマフディ軍に付き添い、戦い方を指導したと言い出した。(関連記事

 ペトラウス司令官は4月8日、米議会下院の公聴会で、イラク占領の現状について話す予定だが、この中でペトラウスは、バスラ攻略にイラン軍が参加していたことを取り上げ、イラン軍は反米ゲリラを指導して、米軍傘下のイラク軍に対して戦闘を仕掛けてきたのだから、これはイランがアメリカを攻撃してきたのと同じであり、米軍はイラン軍を攻撃して潰さねばならないと主張するだろうと報じられている。(関連記事

 米軍中枢でイランとの戦争に強く反対していた、ペトラウスの上司だったファロン司令官は3月中旬、チェイニー副大統領の画策によってクビを切られた。ブッシュ大統領は、ペトラウスの考え方に影響されているとも報じられている。このような状況からは、イスラエルがヒズボラと開戦するのとほぼ同時に、アメリカはイランと開戦しそうだという予測が成り立つ。

 しかし状況をよく見ると、バスラ攻略をめぐって、アメリカはイランを潰すどころか、逆にイランを強化することをやっている。バスラ攻略は、サドル師が停戦に応じたため終わったが、イラク政府とサドルの間の停戦を仲裁したのは、イランだった。(関連記事

 イラク政府軍は、もともと親イランのイスラム組織SIIC(イラク・イスラム最高評議会)の民兵「バドル旅団」が衣替えしてイラク軍になったものだが、バスラでの戦闘開始後、SIICの代理人(イラク国会議員)とサドル派の代理人(一説にはサドル自身)が、イランの聖都コムに集まり、その会合を、イラン軍の幹部(革命防衛隊の外務担当であるスレイマニ将軍 Qassem Suleimani )が仲裁し、停戦の話をまとめた。(関連記事

 スレイマニ将軍は、米政府と国連から、イランによる国外での軍事活動(米からみればテロ行為)の責任者として、テロリストに指定されている。そのような人物が、イラクの政府と反米ゲリラとの交渉を仲裁したのに、米政府はこれを黙認した。(関連記事

 米側は、イランの介入を黙認しただけでなく、バスラ攻略が失敗したのを見て「バスラ攻略は、イラク政府が、米側にほとんど相談せずに、勝手にやったことだ」と、はしごを外す言動に出た。マリキ首相は、アメリカの傀儡であり、勝手に軍事作戦を挙行するはずがないことを、イラク人はみんな知っている。マリキのイラク政府は権威を失墜し、ますますイランを頼り、ゲリラ側との停戦を維持せねばならなくなった。もともとマリキはイランと親しい。(関連記事

▼大油田をイランにあげてしまう

 バスラ周辺は、世界有数の油田地帯である。バスラを制する者が、石油という財政面でイラクを握るといわれる。今回の攻略で、イラク政府がアメリカの傀儡としてバスラを制することは不可能になった。以前からバスラを支配していたサドル師のマフディ軍が、以前より強くバスラを制する方向が決まった。そして、その黒幕はイランである。バスラ攻略によってアメリカは、バスラの巨大な石油利権をイランに譲渡したも同然となった。(関連記事その1その2

 そもそもマリキ首相に、失敗するとわかっていたバスラ攻略をやらせたのは、3月16日に中東歴訪の一環でイラクを訪問したチェイニー副大統領だったのではないかと、私は勘ぐっている。隠れ多極主義のチェイニーは以前から、イラク占領をやりすぎによって失敗させるとともに、イランを挑発して中東で最強の反米勢力にする方向の策略を繰り返している。

 アメリカは、ブッシュ政権の間はイラク占領を続けるだろうが、すでにマリキ政権は名目だけの政府で、占領に成功して安定した傀儡政権を作ることはもはや無理だ。次期政権のアメリカは、おそらくイラクから撤退していかざるを得ないが、その後のイラクは親イラン的な国になり、イランやロシア、中国、ベネズエラなどの非米諸国の石油会社が、イラクの石油を採掘するようになるだろう。アメリカは、何兆ドルもの軍事費を使い、何十万人ものイラク人を殺した挙げ句、イラクの石油をイランに無償譲渡している。これぞ、隠れ多極主義の真骨頂である。

 イラクには、スンニ派とクルド人もいるが、イランはすでにスンニ派にも触手を伸ばしている。イラクの隣にあるスンニ派の国シリアも、イラクのスンニ派に対して影響力を持っているが、シリアは親イランである。クルド人に対しては、昨年末から隣国トルコが軍事的な圧力をかけ、独立を抑制している。トルコは最近、イランと急速に親密化した。すでにイラン・トルコ・シリアが組んで、アメリカ抜きでイラクを維持する体制ができている。

 逆に、バスラで自滅的大損をしたのがイギリスだ。バスラにはイラク侵攻以来、数千人のイギリス軍が駐留している。イラク占領が成功したら、バスラの石油利権の最大の受益者は、イギリスになるはずだった。だがイラク占領は失敗し、昨年10月、イギリスは見切りをつけてバスラからの撤退を決めた。しかし撤退はアメリカから猛反対され、撤退をなかなか進められないまま、今回のバスラ攻略を迎え、もはや敵前逃亡は不可能で、撤退できない状態になった。(関連記事

 イギリス軍は、イラクのほかアフガニスタンにも積極駐留しており、もともと政府財政が弱いイギリスは、完全に過剰派兵状態に陥っている。イギリスは90年代以来、アメリカと同一の金融戦略をとってきたが、今年はアメリカ同様、金融危機と不況を併発し、政府財政はますます苦しい。イギリスの石油会社BPはロシア政府から敵視され、追い出されている。イランやロシアは強くなり、米英イスラエルは潰れかけている。これも、隠れ多極主義の成果である。(関連記事

 このような状況下で、アメリカはイランと戦争するだろうか。おそらくチェイニーは「アメリカがイランと戦うから、イスラエルはヒズボラと戦ってくれ」とイスラエル側に提案し、その策略が進んでいると推測される。イスラエルは今週、もしくはその後の今年末までのいずれかのタイミングで、ヒズボラと戦争に入るかもしれないが、その場合でもアメリカはろくにイランと戦わず、イスラエルに対してはしごを外す策略を行うのではないか。チェイニーの目的はイスラエルを潰し、米英イスラエル中心の体制を崩して世界を多極化することだとしたら、そのようなシナリオが考えられる。



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