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金融危機の再燃

2008年6月9日   田中 宇

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 今年3月末、米連銀の采配で、倒産しかけた米投資銀行ベアースターンズがJPモルガンチェースに買収され、米金融界の連鎖倒産が防がれて以来、昨年夏から続くアメリカの金融危機は、最悪の時期をすぎたという見方が広がっていた。(関連記事

 しかし先週、再び金融危機への懸念が再燃した。米金融界では、それまで安全と思われてきた金融商品が突然に危険なものに変質するかたちの信用不安が連鎖的に拡大していきかねないという、3月末の危機の症状がぶり返している。今週以降、アメリカを中心とする国際金融界で、再び全崩壊の危機が発生するかもしれない。

 危機の原因となっているキーワードはいくつかあるが、構造的には、昨夏以来変わっていない。一つはアメリカの住宅価格の下落が続いていることだ。この下落が昨年夏、サブプライム危機を勃発させたが、その後も米住宅相場の下落は止まらない。(関連記事

 もともと返済不能の確率が高かったサブプライムの住宅ローンだけでなく、優良なローンの借り手にも再編不能が広がっている。米国民がローンで得た資金で消費し、消費関連産業(小売り、貿易、金融、サービス業など)が米国民の雇用を拡大してきた。

 ところが近年は、住宅価格が下がり、金融機関の含み損が拡大してローン貸出が縮小し、米市場での消費が減退し、消費産業に依存していた雇用が減って失業増となり、失業した米国民はローンを返せなくなり、金融機関の損失に拍車がかかる、という悪循環に陥っている。6月5日に発表されたアメリカの雇用統計で、失業率が事前の予測を上回る上昇していたため、不況への心配が強まり、米ダウ平均株価が3%以上も急落した。(関連記事

 アメリカには、ファニーメイとフレディマックという、政府系の住宅ローン融資会社があるが、この2社の不良債権が増し、公的資金を使った米政府の援助が必要になりそうだとの予測も出ている(以前から繰り返し予測されてきた)。公的資金の利用は、すでに史上最悪の状況まで悪化している米政府の財政赤字をいっそう拡大させる。2社のローン融資残高は合計5兆ドルだ。その何分の1かが焦げ付き、その穴埋めに税金を投入するとなると、イラクなどでかかる戦争費用(毎年約1兆ドル)に劣らない巨大な財政支出となる。(関連記事

▼3月危機の構造は消えず

 アメリカの住宅価格の続落は、ローン担保債券の破綻増につながっている。債券(やその他の債権)の多くには、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)という信用保証(破綻保険)の契約がついている。CDSは、総残高が62兆ドルという膨大な規模だ。CDS発行者は、主にモルガン(JPモルガンチェース)などの米投資銀行である。(モルガンは、CDSを発明した研究者を雇用し、CDSの元祖となった)(関連記事

 担保資産の価値の大幅下落によって債券が破綻すると、CDSの発行者(売り手)は、破綻した分の損失を穴埋めする支払いを行わねばならない。しかし実際には、次々と破綻する巨額の債券のすべての損失を穴埋め(保険金支払い)していくと、投資銀行自身が、どこかの時点で経営破綻してしまう。CDSの残高の1割が破綻しただけで、穴埋めが必要な額は6兆ドルにもなる。

 昨夏に金融危機が始まるまで、債券の破綻率は非常に低く、金融界内部の相互協力によって何らかの救済策が打たれ、大きな破綻は回避されていた。誰も、破綻が増えたら投資銀行は保険金が払えなくなり、CDSの契約そのものが破綻するということを問題視しなかった。CDSをつけると(見かけの)リスクが減って債券の利回りを低下できるという、債券発行者の一時的利便性だけが重視された。CDSには政府当局の監督が全くないので、それで問題なかった。

 ところが、昨夏以来の金融危機で、みんなが看過していた債券破綻のリスクが急に現実のものになった。大きな債券の破綻によって、CDSが実は最初から支払不能の「ねずみ講」であることに世の中が気づいた時点で、アメリカの金融システムはパニックで崩壊しかねない。

 3月末に破綻しかけたベアースターンズが倒産せず、政策的買収によって救済されたのは、ベアースターンズが倒産すると、同銀行が発行・関与していた債券(やその他の金融商品)の多くが破綻し、これらの債券のCDSを引き受けていた他の投資銀行、特にCDSの元祖であるモルガンが連鎖倒産しかねないからだった。連銀は、モルガンを説得してベアースターンズを買収させた。連銀は、ベアースターンズの不良債権額(290億ドル)より少し多い300億ドルをモルガンに融資し、話をまとめた。(関連記事その1その2

 この一件で、CDSの連鎖破綻は免れた。その後現在に至るまでの2カ月間、連銀は米金融界に対する救済的な融資を拡大するとともに、米当局は欧州や日本の当局と談合し、ドル安ユーロ高・円高が加速しないよう調整した。欧日はドル安を避けたいので、通貨発行増や利上げ見送りが行われた。

▼次はリーマン?

 しかし同時に、連銀のドル発行増に伴うインフレが激化するとともに、米住宅価格の続落、米経済の不況への接近、失業などがいっそうひどくなった。3月末からの延命策発動から2カ月がすぎた6月初め、金融危機、不況、インフレ、ドル不安という米経済の4重苦が、以前よりひどくなって戻ってきそうな様相になってきた。米金融界はリストラと賃金引下げで、所得減となったトレーダーがインサイダー取引に走る傾向が強まっている。(関連記事

 6月2日には、信用格付け機関のS&Pが、モルガンスタンレー、メリルリンチ、リーマンブラザーズという米大手証券会社(投資銀行)3社の格付けを引き下げた。3社の中でも、特にリーマンブラザーズは、破綻するのではないかと投資家から見られる傾向が強まり、株式先物市場では、リーマン株の空売りが前代未聞の額にふくらんでいる。(関連記事その1その2

 仮に今後、リーマンが破綻し、ベアースターンズ破綻時のような迅速な救済買収が失敗した場合、3月末のような危機が再燃する。CDSなど金融破綻のリスクをヘッジする金融商品の全体が危険視され、金融機関の連鎖破綻が起こりかねない。総残高516兆ドルという、デリバティブ市場全体に対する信用不安が起きるとの見方もある。(関連記事

 リテール銀行に関しても、シティグループはいずれ破綻するという記事が5月15日のニューヨークポストに出たし、ワコビアも業績悪化に歯止めがかからず、6月初めに経営トップが辞任した。(関連記事その1その2

 6月5日には、CDSと似た金融保証(破綻保険)を発行しているモノライン保険2社の格付けも、S&Pによって引き下げられた。2社の格下げは3月から検討されていたが、3月には実施が見送られていた。格下げが行われていたら、金融保証の保険そのものに対する不信感が爆発し、3月の米金融危機はもっと大変なことになっていただろう。政治的判断で格下げが見送られたと考えられる。(関連記事

 実際には、モノライン2社の格付けは「ジャンク」が妥当だとの見方がある。事態が悪化する中で、実態と離れた最優良格付けを維持し続けることは、格付け会社自身の信用不安を増大させて危険なため、格下げが実施された。格下げ当日には悪影響は出なかったが、今後はわからない。アメリカの金融保証はCDS同様、当局による保護は全くないので、保険会社の格下げは、保険そのものの危険増につながることが確実だからだ。2社の金融保証の発行残高は約1兆ドルである。(関連記事

▼金融危機とドル不安・インフレの悪循環

 金融危機の再燃は、ドル不安と、その裏返しであるインフレとの併発になっている。米経済は昨夏以来の、金融危機、不況、インフレ、ドル不安の4重苦がぶり返している。

 サブプライム問題に端を発した金融危機は、アメリカの金融機関の相互不信を引き起こしている。サブプライムなど高リスク債の市場は、現時点の価格(時価)が算出しにくく、各金融機関は自社の損失すら把握できず、他社の損失状況についても信用できる情報がないので、互いに資金の融資をしたがらない傾向が続いている。資金調達ができないと、企業は資金難(流動性の危機)に陥り、倒産してしまう。この危機を回避するため、米連銀は、連続的な利下げとともに、金融機関にどんどんお金を貸す政策を続けている。

 その結果、通貨(ドル)の供給量が急増している。米連銀は2006年春以来、主要な通貨供給量(M3)の発表をやめている(発表停止は、過剰な通貨発行を隠すためとみられている)が、代わりの通貨供給量の指標として、連銀発表のいくつかの数値を組み合わせたMZM(Money of Zero Maturity)があり、この指標で表した通貨供給量は、この2年間で25%増えている。特に、米金融界が崩壊寸前までいった今年3月には、年率換算で16・7%も通貨供給量が増えた。ドルの発行総額が、5年で倍増する計算になる。(関連記事その1その2

 通貨供給増は、インフレに直結する。通貨供給が2倍になったら、物価も2倍になると考えられる。世界的にインフレがひどくなっているのは、世界の主要商品の価格を形成している米ドルの発行量が急増した結果である。米連銀のバーナンキ議長は、通貨供給量を急増させるのが最良の不況対策だと主張してきた学者であり、彼は「造幣機」とか「ヘリコプター(から紙幣を街にばらまくことを景気対策と言った男)」とあだ名されている。インフレを軽視する点でバーナンキは間違っているが、彼の間違った政策は全速力で続けられ、世界的インフレの大惨事が起きている。(関連記事

 世界の通貨の中でドルだけが供給増になると、ドルは円やユーロに対して下落するが、現在の世界では、世界のほとんどすべての国が、通貨の安定や輸出振興の観点から、自国通貨の対ドル為替の上昇を嫌う。多くの国が、ドルの供給増に合わせて、自国通貨の供給を増やし、自国通貨を意識的にドルに連動して弱体化させている。EU当局は年率11%のユーロの供給増を続け、ドル安ユーロ高を回避している。(関連記事

 インフレが続く中、大手の投資家の間では、相場の上昇傾向が続く原油や穀物の先物相場への投機が拡大し、金融危機になって債券や株のリスクが上がるほど、資金が債券や株の市場から逃げ出し、原油や穀物の先物に注入されている。これがインフレ傾向に拍車をかけている。従来の概念では、不況になるとガソリンなど石油製品の需要が減り、原油価格は下がるものだったが、昨今のアメリカは金融不況なので、不況になるほど債券や株から原油先物市場に資金が移り、原油が高騰する状況が起きている。(関連記事

 著名投資家であるジョージ・ソロスは最近、原油の高騰はバブルであり、米英が本格的な不況に突入したことが顕著に確認された後、突然の原油相場の急落というかたちで終息するだろうが、その際に事態は不安定になるだろう、と米議会で証言している。(関連記事

 以前の記事に書いたように、原油高騰については、米当局の監督外のロンドン(ICE)で取引されているNYMEX(ニューヨーク市場)の原油先物への投機が、高騰を扇動しているともみられている。だが最近、ICEとNYMEXは、原油先物取引に対する証拠金を3倍に増額し、取引に金がかかるようにしたものの、原油価格にほとんど影響がなかった。このことからは、ICEでの監視外の取引が高騰の大きな要因ではないことがうかがえる。(関連記事

▼マスコミを使った延命策

 米連銀は昨年秋以来、一貫して、不況対策と金融機関救済という2つの目的のため、短期金利を引き下げ、金融界への資金供給を拡大し続けてきた。しかしその結果、インフレがひどくなり、ユーロ圏や、通貨をドルにペッグ(連動)しているアラブ諸国(GCC)が、ドルに連動して自国通貨を弱体化させる政策を放棄し、通貨の対ドル為替の上昇を容認する政策に転じる可能性が出てきた。

 ドルに対する信用不安を回避しようと、連銀のバーナンキは6月3日、インフレを増大させるドル安を回避したいと表明した。ドルの為替については財務省の専管事項であり、連銀がドル安への懸念を表明するのは異例である。連銀がインフレ回避のためにできることは利上げである。市場では、連銀はインフレより不況を懸念する従来の利下げ政策をやめて、不況よりインフレを懸念する利上げ方向に転じそうだとの観測が広がった。(関連記事

 当初は、ドル高と利上げ傾向で、世界の投資家にとってアメリカに投資することの魅力が回復するとの見方から、アメリカの株価は上昇した。だが、利上げは金融機関にとって調達資金コストの増大となり、金融危機を増大させる面がある。利上げは、不況色を強めている米経済の景気にもマイナスだ。これらの要因から、6月6日には株価は急落に転じた。バーナンキのドル高発言の好影響は2日ほどしか続かず、その後は悪影響の方が大きくなった。(関連記事

 私から見ると、FT(フィナンシャルタイムス)など、米英の金融専門のマスコミでは、3月末の危機が回避された後、相場を下げる方向の分析記事の掲載をできるだけ避けている観がある。

 たとえば6月4日にOECDが発表した経済見通しについて、FTは「先進国は経済危機を良く乗り切っているとOECDは見ている」という記事を出したが、フランスのAFPは「米経済は今年いっぱいひどい状況だとOECDは見ている」、中国の新華社は「OECDは、先進諸国は経済難が続くと予測した」と報じている。OECDによる世界経済の多角的な分析の中のどの部分を見出しにとるかによって「良く乗り切っている」から「ひどい状況が続く」まで、いくつもの論調の記事ができあがる。(関連記事その1その2その3

 経済の状態をできるだけ楽観的に描こうとする圧力が、マスコミに上の方からかけられ続けていれば、悪い統計数字が出ても、大して悪くないとみなす記事が多くなり、個人投資家などの多くに影響を与えられ、金融相場の下落をある程度防げる。国際政治の記事で「イスラム=悪」の図式が貫かれ、アメリカによる虐殺的侵略戦争が「独裁者を倒す良い戦争」として描かれるのと同様のメカニズムで、金融市場の延命策が採られている。

 しかし、大手の投資家はもっと冷徹な分析をしており、彼らによる売りがかさんでくると、延命策は続かなくなる。延命策を採っている間も、米英の財政・貿易・家計の「三つ子の赤字」は拡大し、矛盾は潜在的に増大している。次に延命策が尽きたときの崩壊度が大きくなる。先週以来、3月末以来の延命策が尽きつつあるのではないかという懸念が高まっている。今回は、まだ延命策の効力が続いたとしても、この先いつ尽きるかはわからない。

▼経済と覇権

 今のところ、世界各国の通貨当局は、ドル下落に合わせて自国通貨の価値を下げているが、これを続けている限り、各国のインフレはひどくなるばかりで、政府支持率の低下や暴動など、政治不安につながっていく。各国はどこかの時点で、自国通貨の対ドル為替の切り上げ容認に転じざるを得ない。

 6月5日には、EUの欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁が、インフレがあまりにひどいので、来月にユーロ圏の金利を引き上げるかもしれないと発言し、ドル安ユーロ高を引き起こした。2日前のバーナンキのドル高発言の効果は、トリシェの発言によって打ち消された。(関連記事

 6月2日には、ポールソン米財務長官が中東訪問中に「アラブ産油国(GCC)のインフレは、通貨の対ドルペッグ(為替連動)をやめたらおさまるものではない」と発言し、GCCはドルペッグを維持した方が良いという姿勢を見せた。(関連記事

 昨年末以来、投資家の間では「GCCは、ひどくなるばかりのインフレを抑制するため、近々ドルペッグをやめるだろう」という見方が広がっているが、ポールソンはその見方に冷や水を浴びせかけ、ドル安を防止しようとした。FTなどのマスコミも、ポールソン発言に呼応し、ドルペッグは外れそうもないと主張する記事を出し、米当局に協力した。(関連記事その1その2

 しかし、その数日後には、アメリカの金融危機が再燃しそうだという流れに乗って、再び「GCCはドルペッグをやめるのではないか」「やめるべきだ」と主張する記事が、またもや湧き出てきた。GCCがドルペッグをやめたら、今日まで事実上、米英の植民地だった中東諸国は、GCC産油国を中心とした地域覇権国の一つになっていきうる。世界の政治的な地図が塗り変わる可能性を秘めている。(関連記事その1その2

 ドルはアメリカの覇権を支える大黒柱である。ドルに対する信用不安は、アメリカの覇権が崩壊しかけているという政治的な問題でもある。日本人は国際政治の素養が低く、経済にしか興味を持たないよう教育されているので、ドル安は日々の相場の問題としか思わないが、実はドルの信用失墜は、戦後の60年間のアメリカの覇権(もしくは産業革命以来200年の英米覇権)が崩れ、世界の政治構造が変わりかねないという、政治的な問題として重要である。50年100年単位の大きな動きである覇権の問題からすれば、短期的な景気や相場の問題は些末だ。

▼デリバティブの終わりが米英覇権の終わり

 ロシアのメドベージェフ新大統領は6月7日「アメリカが弱体化しつつあるのに、いまだにアメリカ一国だけを世界の覇権国とみなす世界体制が続いていることが、昨今の国際金融危機の原因だ」と述べ、今後はロシアが中心となり、単独覇権的でないやり方で、金融危機を解決する方法を考えていきたいと表明した。(関連記事その1その2

 経済力で見ると、アメリカと、その覇権に協力する欧日などの力はまだ強い。ロシアが中国やイスラム圏の協力を得たとしても、欧米が引き起こした金融危機を解決することは、ほとんど無理だと考えられる。まだロシアや中国には、米英が持っているような、高度な金融財政技能もない。対米従属が無意識の領域にまで根ざしている日本人の間では、メドベージェフ発言を法螺話と受け取る向きが多いだろう。

 しかし同時に言えることは、1980年代以来、米英が経済的な強さの源泉として維持発展してきた「投資銀行による金融革命」「デリバティブ」を使った、米英金融界の大儲け戦略は、おそらく二度と立ち直ることのない終焉を迎えている。今回の金融危機を機に、世界の銀行規制を決めているBIS(国際決済銀行)は、サブプライム住宅ローン債券に象徴される銀行の簿外でのデリバティブ投資を規制する方向に動いている。手持ち資金の何十倍もの投資ができるデリバティブは、連鎖破綻した際、金融システムそのものを破壊する大崩壊を引き起こしかねないからだ。(関連記事

 規制をかけられたら、デリバティブは大儲けの道具ではなくなり、米英の金融の魔術は消える。今回の金融危機は、金融の儲けで経済全体を回してきたこの20年間の米英経済の活況を不可逆的に終焉させかねない。冷戦後の米英の覇権を支えきた金融の魔術が解けた後なら、ロシアが音頭をとって国際金融界の立て直しをするという、今はまだ法螺話にしか聞こえない展開が、現実のものになりうる。メドベージェフやプーチンの従来の発言から、ロシアの上層部がそのあたりを見据えていることが感じられる。(関連記事



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