日露関係強化は世界多極化の一環2004年07月02日11時13分6月24日にロシアを訪問した川口外務大臣が、北方領土問題を解決して日露間で平和条約を締結し、日本がロシアの極東とシベリア地方の開発に協力する、という方針をロシア側と合意した。これは、アメリカの中道派などの主導により、ロシア・中国・インドといったユーラシアの大国群の国際覇権力が拡大し、世界が多極型のシステムに向かおうとする流れに、日本も乗ろうとする動きである。 シベリア開発、日本が官民で協力=平和条約締結なら−川口外相 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040625-00000322-jij-pol 今年1月に「消えた単独覇権主義」という記事を書いたころから、アメリカの中道派は世界を多極化するためにロシア・中国・インドをてこ入れするという方針を掲げている。これに呼応して、日本からパキスタン、アフガニスタンあたりまでのアジア諸国が協調関係を強め、アジア共同体のようなものを作ったり、東アジアの通貨同盟を作ったりする動きも始まっている。 消えた単独覇権主義 http://tanakanews.com/e0122powell.htm この記事はフォーリンアフェアーズに載ったパウエル国務長官の論文が元になっているが、アメリカの外交政策決定の奥の院である外交評議会が発行する雑誌フォーリンアフェアーズでは、最新号でも「中国やインドは意外と早く、経済的、外交的、軍事的な国際覇権力を身につけるだろう」と予測する論文を大きく載せている。 A Global Power Shift in the Making http://www.foreignaffairs.org/20040701facomment83401/james-f-hoge-jr/a-global-power-shift-in-the-making.html?mode=print 先週には、東南アジア諸国と日中韓(ASEAN+3)の首脳がジャカルタに集まり、東アジア共同体の設立に向けた動きを強化することを決めた。 Asian Officials Consider Security Pact http://www.guardian.co.uk/worldlatest/story/0,1280,-4250066,00.html 北朝鮮の問題も、すでに中国を中心として解決していく体制が定まった感がある。中国からは外務省の大物である王毅次官が駐日大使になることが報じられた。日中両国は関係の緊密化を模索しており、これも東アジア共同体作りの一環である。 王毅次官が駐日大使内定 対日重視、今夏着任へ http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040701-00000064-kyodo-int 6月中旬には中央アジアのタシケントに中国、ロシア、中央アジア諸国の首脳が集まって「上海協力機構」の会議を開き、テロ対策という名目で、相互の安全保障同盟体制を強化することを決めている。この会議にはアフガニスタンのカルザイ大統領も出席し、中国とロシアがアフガニスタン復興への支援を強化する態勢が生まれそうな気配を見せている。 Russia, China, C. Asia in security pact http://www.libertyforum.org/showflat.php?Number=292722267 このようにアジアのあちこちで相互に同盟を強化することが盛んになっている。日露関係の改善もこの流れの中にあることは間違いない。北方領土問題を解決すれば、日露関係が一気に緊密化し、ロシア極東やシベリアに対する日本からの投資が増える可能性があるが、対ロシアビジネスは一筋縄ではいかないようなので、日本企業の中には慎重な姿勢をとるものが多いと考えると、どの程度の増加になるのかは疑問が残る。 日露関係の好転は、世界全体の大きな流れの中の一つであり、アメリカの中道派も望んでいると思われる。日本側のロシア嫌いの勢力が動きを阻止しようとしても、それは一時的なものに終わり、今後長期的には日露関係が好転していくことはほぼ間違いない。 今後、日本人が習得すべき外国語は、かつての英語・ドイツ語・フランス語といった順番から、英語・中国語・ロシア語/韓国語といった順番に変わっていくと予測される。EUでは英語が共通語になっていることもあり、ドイツ語やフランス語を学んでいる学生は、将来役立つことを考えると、中国語やロシア語に切り替えた方が良いだろう。もはや日本人にとって、欧米文明を吸収するために欧米言語の習得が重要だった時代は終わっている。これからは中国・インド・ロシアを中心とするアジアの時代になるので、日本人はアジアの言語を学んだ方が良いだろう。 タイトル一覧へ | |