田中宇の国際ニュース解説
世界はどう動いているか

 フリーの国際情勢解説者、田中 宇(たなか・さかい)が、独自の視点で世界を斬る時事問題の分析記事。新聞やテレビを見ても分からないニュースの背景を説明します。無料配信記事と、もっといろいろ詳しく知りたい方のための会員制の配信記事「田中宇プラス」(購読料は6カ月で3000円)があります。以下の記事リストのうちがついたものは会員のみ閲覧できます。


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金融大崩壊がおきる
 【2013年5月20日】 マスコミは当局による市場や指標への操作を報じず、景気が自然に回復しつつあると歪曲報道大している。連銀もマスコミも、金融システム延命のため事態を歪曲しているうちに自らの信用が失われ、最後には延命策が効かなくなって金融危機が再発するだろう。サブプライム危機の直前まで、民間の金融界が債券を旺盛に買っていた。その民間債券需要が失われて起きたのが前回の金融危機だった。それに比べて今は民間の債券需要が非常に少ない。すでに現時点で、前回の危機の直前よりずっと悪い状況だ。

和平会議に向かうシリア
 【2013年5月17日】 シリア和平会議は、シリア内戦でアサド政権が優勢に、反政府勢力が劣勢になる中で行われる。そのため、アサド政権は出席を表明したが、反政府勢力は参加をいやがっている。米国は、反政府勢力を傀儡化しようとして弱体化させた挙げ句、反政府勢力の弱体化が進んだところで和平会議の開催に賛成するという、自滅的なやり方を突き進んでいる。中東政治では、いつものことだ。

日本の核武装と世界の多極化
 【2013年5月15日】 日本の上層部(官僚)は「米国が覇権を失って中露が台頭するなら、その前に核武装しよう。いったん核武装すれば誰も廃絶を強要できまい」と思っているのかもしれない。しかし、この考えは甘い。日本は貿易立国だ。核武装を世界から非難され、経済制裁されたら半年も持たない。日本が核武装するとしたら数年後だが、そのころには国連の主導権は中露など非米反米諸国に移り、米国は日本を支持しても国連を動かせなくなっている。

財政破綻したがる日本
 【2013年5月13日】 安倍政権が目標のインフレ2%を達成したら国債金利が3%になり、政府は税収の8割を国債利払いにあてねばならない。国民の福祉や教育の予算が急減し、貧困層が急増する。円安が加速し、百円ショップなどの安い輸入商品が値上がりし、インフレは2%に達した後、もっと上がって5%超になりそうだ。大都市圏以外の地方は、政府の財政破綻とともに公共事業が急減し、公務員も減らされて雇用がなくなり、荒廃がひどくなる。TPPで地方経済を支えてきた農業も衰退する。アベノミクスは長期的に見て、日本に大きな悪影響を与え、急速に衰退する日本にとどめの一撃を与える。

大戦争と和平の岐路に立つ中東
 【2013年5月7日】 イスラエルが国家存続したければ、米国でなく、ロシアや中国に和平を仲介してもらうしかない。そのような状況下、イスラエルのネタニヤフ首相と、パレスチナのアッバース大統領が、5月5日から同時に中国を訪問している。表向き、2人の訪中は偶然に時期が一致しただけで、両者が中国で会談することはないとされている。しかし、ネタニヤフが中国に向けて出発したのは、イスラエルがシリアを空爆し、シリアが反撃してくるかもしれない重大なタイミングだ。経済が主目的なら、訪中を延期したはずだ。ネタニヤフの訪中の真の目的は、経済よりも緊急で重要な案件と考えるのが自然だ。

北方領土問題はまだまだ解決しない
 【2013年5月2日】 今の日本政府は、自国民の生活維持よりも、日米同盟の維持を優先している。TPPや、日銀による円の増刷と国債買い支えは、日本国内を犠牲にして日米同盟(対米従属)を維持する策だ。米国はロシアを敵視しており、今後米露対立が高まるおそれもある。そんな中で日本がロシアと関係改善すると、日米同盟を損なうことになりかねない。日本はロシアとの関係を、短期的に改善するとしても、長期的、根本的に改善する気がない。日本政府は、北方領土問題を解決するわけにいかない。

北朝鮮と世界核廃絶
 【2013年4月30日】 米国が北朝鮮敵視を続けた結果、北が自国の核廃絶の交換条件として世界核廃絶を持ち出したことは、軍産複合体に妨害されているオバマの核廃絶構想を北が助ける構図になっている。核武装した北を放置して中国に押しつけているオバマは、自分がやりかけたが軍産複合体に阻止されてできない世界核廃絶を、中国にやらせようとしている。

ボストンテロの自作自演性
 【2013年4月26日】 ボストンのマラソン大会で起きた爆弾テロ事件で、米当局が主犯格とみなしたタメルラン・ツァルナエフが、昨年夏、米国の諜報機関CIAが出資する「コーカサス基金」が主催する、ロシアを困らせる目的で北カフカスを不安定化する政治運動のワークショップに参加していたことが明らかになった。ロシアの新聞イズベスチヤが報道した。

金地金の売り切れ
 【2013年4月24日】 今のように人々がどんどん金を買い増していくと、どこかの時点で、人々が商社に預けたはずの地金を引き出そうとしても、金地金の在庫が足りない事態となる。この時に初めて深刻な売り切れが露呈する。世界的な「金の取り付け騒ぎ」となる。

ボストン爆弾テロの深層
 【2013年4月22日】・・・テロ事件の直後、FBIが(のちに容疑者として指名手配された)タメルラン・ツァルナエフに電話してきて、お前が犯人だ(もしくは「こんなことになったのはお前のせいだ」)と非難した。タメルランは「それはそっち(FBI)の問題でしょ」と、電話をかけてきたFBIに答えたという。これは、英国などのマスコミ各社がロシア在住のタメルランの父親に取材して聞いた話だ。・・・

通貨戦争としての金の暴落
 【2013年4月16日】 長期的にみると、金は再び買われるだろう。しかし金が再び買われるようになると、米金融界が債券システムで簡単に作れる資金を使って金先物に巨大な売り爆弾を落として金相場を暴落させる攻撃を再発するかもしれない。金の現物価格が先物で簡単に下落させられる、金にとって無力な価格決定の仕掛けは、今後も変わらない。金に対する通貨戦争はまだ続きそうだ。

世界的バブル崩壊の懸念
 【2013年4月13日】 米国以外の投資先が隆々として繁盛していたら、米国から他の投資先に資金が流出し、債券金融バブルが崩壊しかねない事態になるが、他の投資先が次々と壊れていけば、少なくともその間、ドルは安泰だ。ユーロ危機など、米国以外の市場が崩壊するたびに「いちばん安全な投資先はやはり米国債だ」という話が喧伝され、投資金が米国債からジャンク債までの債券金融システムから資金が逃げず、ドルのバブル崩壊が防げる。米金融界は、ドルのバブル崩壊を先送りするため、米国以外の世界中のバブルを崩壊させようとしている。

北朝鮮と世界大戦の危機
 【2013年4月11日】 報道を読むと、北朝鮮を発火点に米中が戦争して世界大戦になりかねない感じを受ける。だが、世界的な視野に立つと、世界大戦が起きるとしたら、その可能性は、北朝鮮より、イランとイスラエルなど中東地域の方が高い。米国の著名な分析者の何人もが、これから世界大戦が起きるとしたら、イランなど中東から発生すると予測している。米国の権力筋を動かす政治力で見ても、日韓よりイスラエルの方がはるかに強い。

北朝鮮を扇動する米国
 【2013年4月3日】 国連が、北朝鮮と交渉せざるを得ないと言い出している。このことと、国連との連携が強いBRICSが、米国がやり散らかして失敗している国際問題に取り組む姿勢を強めていること、BRICSの中心が中国であることを合わせて考えると、北朝鮮問題の解決に向けた新たな枠組みが立ち上がっていく可能性がある。北朝鮮に対する米国の挑発は、そうした可能性が出てくるのと同じタイミングで行われている。

キプロス金融危機の意味
 【2013年4月2日】 キプロスで検討されているような、銀行危機に際して預金を返さず損失の穴埋めをするやり方は、これから増えていく可能性がある。ニュージーランドでは、このやり方が危機対策の一つとして検討されている。リーマン危機が直後に感染して08年に銀行危機に陥ったアイスランドでは、銀行を救済せず国有化したうえで破綻させ、その代わり、アイスランド国民の預金は保護するやり方を採った。日本でも、デフレ脱出のためと称し、円や日本国債を意図的に弱体化する策が続けられており、今は安定している日本の金融界が、国債危機などが起きて不安定化した場合、日本人の預金も安泰でなくなる。

シェールガスのバブル崩壊
 【2013年3月25日】 これまで米国のシェールガスについてバラ色の未来が語られてきたが、それは現実に裏打ちされていない。8年経って、しだいに経験量が増えてくると、シェールガスには難点が多いことがわかってきた。その一つは、ガスの産出量の減少が、従来型のガス田よりも、はるかに早いことだ。米国には約30カ所の主要なシェールガス産出地域(プレイ)があるが、多くのガス井は、ガスの産出が始まって3年たつと、産出量が79%から95%減ってしまう。つまり3年でほとんど枯渇してしまう。シェールガス井は寿命が非常に短いので、ガスの産出量を維持するため、一つの産出地域の中で次々と新しいガス井を掘り続け、ガスが出ているガス井群の中の3−5割が毎年交代している状況だ。

揺らぐ経済指標の信頼性
 【2013年3月21日】 多くの人々が「経済指標が意図的に操作されることはない」と思っている。「ソ連や中国は経済指標をごまかしたが、市場重視の米欧日でそのようなことはない」「政治はごまかしに満ちているが、経済は厳然たる数字であり、ごまかしがない」という信仰も根強い。だが、市場重視を掲げる米英の覇権体制が弱体化して揺らぎがひどくなる中で、米国などの政府系機関が出す経済指標の中に、状況の悪化を隠すためのごまかしが増える傾向が強まっている。

終わりゆく原子力発電
 【2013年3月14日】 今回の米NRCの決定で、私が驚いたのは、このように米国と世界の原発の将来に大きな影響を与えそうなカルバートクリフス3号機の建設却下の決定を、世界中が「フクシマの2周年だ」「原発は危ないよな」と思い出している3月11日のタイミングに、わざわざ選んで行ったことだ。建設申請に対するNRCの検討は、何年にもわたって行われ、決定を出すのを1−2週間ずらすことは簡単だった。オバマ政権の公式な姿勢は原発推進だが、それが政権の本音でもあるなら、NRCが311の日取りを選んで30年ぶりの原発建設申請を却下するはずがない。やはりオバマ政権の本音的な戦略は、原発廃止だろう。

世界の転換を止める北朝鮮
 【2013年3月12日】 オバマが世界核廃絶の道筋をつけられないまま米国の覇権が衰退すると、北朝鮮やその他の国々の新たな核武装を誰も止められなくなり、核不拡散のたががはずれ、日韓を含め、より多くの国々が核武装したがるようになる。北朝鮮は、世界を不安定化する核拡散の先鞭をつけることになるかもしれない。

世界を変える米財政危機(2)
 【2013年3月9日】 イスラエルのバラク国防相がAIPAC年次総会で「中東諸国間の集団安全保障体制」を提案したことは画期的だ。米国を牛耳って自国好みの中東戦略をやらせ、フセインのイラクのように脅威となる他の中東諸国を米国に潰させるのが、これまでイスラエルの無敵の安保戦略だった。しかし今、米国はイラクからもアフガンからも撤退し、軍事費を減らし始め、中東での影響力を失うことを容認し、イラン敵視を解こうとしている。イスラエルは米国に頼れなくなり、独力でイスラム世界と対峙するか、直接交渉で集団安保体制を構築するしかない。バラクの提案は悲壮なものだった。

世界を変える米財政危機
 【2013年3月7日】 グアムやハワイなど米国傘下の西太平洋に展開する米軍は、軍事費だけでなく、それ以外のすそ野的な費用を必要としている。米政府が島々のインフラ整備や行政費の一部負担、基地や役所における島民の雇用確保など、経済面で島民の生活を米政府が保障することで、米軍の駐留が成り立っている。米政府の歳出一律削減によって「中国包囲網」として米軍が駐留する西太平洋の島々の経済が打撃を受け、包囲網が脆弱になる。米国の財政緊縮は、オバマのアジア重視策と矛盾する事態になっている。

米歳出一律削減の危険
 【2013年2月28日】 米国では今後、軍事費の削減だけでなく、軍事費削減を理由とした、世界からの軍事的・政治的な撤退が強まりそうだ。国際問題を軍事でなく外交で解決すべきだと主張し、オバマから次期次期国防長官に指名されたチャック・ヘーゲル元上院議員が、2月27日に米上院でようやく人事承認された。軍産複合体やイスラエル右派系の議員らがヘーゲルの国防長官就任に強く反対したが、就任を阻止できなかった。この件と、3月1日からの軍事費を含む一律削減策を合わせて考えると、今後米国が進みそうな方向が見えてくる。

崩れ出す中央銀行ネットワーク
 【2013年2月27日】 英国の中央銀行は、米連銀の危険な量的緩和策についていけなくなり、米英の中央銀行が別々の道を進みだした。その直後、ムーディーズが英国を格下げし、英国は35年ぶりに最優良格から下落し始めた。これは、ブレトンウッズ会議以来の米英経済覇権体制の中枢が崩れ出したことを意味している。

世界体制転換の渦・経済編
 【2013年2月21日】 通貨戦争はおそらく、日本など各国が弱くなるドルに合わせて自国通貨を切り下げる競争をする前半部分と、中国やEUが経済体制的に米国を見限ってドルが基軸性を失う後半部分という2つの戦局から成り立っている。前半戦において、中国は後方に立っているだけの端役だ。この戦争が全体として何年間続き、いつから後半戦に入るのか、今のところ見えない。

世界体制転換の流れの渦
 【2013年2月19日】 米国の覇権が崩れつつある中、米政府が財政や国力を立て直すには、世界からの軍事撤退やロシアとの核軍縮が必要で、軍産複合体の影響力は減じる。イスラエルはパレスチナ国家を作らないと行き詰る。イスラム世界は傀儡状態から脱していく。北朝鮮は中国の傘下に入る。米国の弱体化で日本は対米従属を続けられなくなる。そうした方向性そのものは、すでに何年も前から感じられ、私はその流れの記事を何十本と書いてきた。しかし現実の事態は、渦巻き状、もしくは行きつ戻りつの不明瞭な軌跡で、裏表のある不明瞭な状態でしか進んでいない。

北朝鮮の核実験がもたらすもの
 【2013年2月13日】 これまで核実験やロケット発射を繰り返す北朝鮮を止める主導役は、米国だった。米国は北を動かす手綱を持っておらず、03年に6カ国協議の体制が組まれて以来、手綱は中国に移ってきたが、それでも米国が主導役という色彩が残っていた。だが今回、国連安保理でもマスコミでも「北の核武装をやめさせられるのは中国だけだ」「中国はもっと北に圧力をかけろ」といった論調がぐんと強まっている。北朝鮮が中国の傘下の国であるという、中国の地域覇権を積極的に認める論調が明確化した。

中国は北朝鮮を抑止できるか
 【2013年2月11日】 中国は、北に核実験をやめさせる影響力を持っている以上、それを行使する可能性が高い。米国の中枢では、中国に頼んで北に核廃棄させたいオバマ政権と、北の核開発を扇動して東アジアの対立構造や中国包囲網を維持強化して米軍の予算と権限を維持したい軍産複合体が暗闘している。中国は、対中協調派のオバマに勝ってもらいたいはずだ。そのためには中国が、北に圧力をかけて核開発をやめさせ、返す刀で6カ国協議の進展や南北和解、米朝対話、在韓米軍の撤退まで持っていく必要がある。

日本企業の問題は円高でなく製品競争力の喪失
 【2013年2月6日】 円安で日本製品の価格が下がっても、世界の人々がサムソン製の代わりにソニーや東芝の製品を買うようにはならない。日本の問題は、通貨でなく製品の競争力だ。円が急速に安くなりすぎて日本国債が信用不安になって急落し、巨額の国債を持っている日本の金融界が国債を買い支えるために米欧から資金を急に引き上げ、世界的な金融危機の引き金を引きかねない。

いよいよ出てくるオバマの世界核廃絶
 【2013年2月2日】 オバマは大統領に就任した直後から、世界的な核兵器廃絶を進めようとしてきた。その方針ゆえに、09年にノーベル平和賞を受賞した。ヘーゲルがグローバルゼロで核兵器全廃を提唱したことは、オバマから見て、ヘーゲルを国防長官に指名した主要な理由だったと考えられる。同時にヘーゲルは、国防長官になって、オバマが企図する軍事費削減を進めようとしている。軍事費が増えないのを利用して軍備削減が必要な状況を作り、その一環として核兵器を削減していく作戦だろう。

中国敵視は日本を孤立させる
 【2013年1月30日】 国連では、中国が主導国の一つである発展途上諸国の発言力が増加し、米英から主導権を奪いつつある。米国の戦略の失敗に反比例して中国が国連で発言力を増している。中国は、尖閣に関する中国の大陸棚の主張を検討する国連の委員会に圧力をかけるだろう。日本人は、尖閣を奪おうとする中国こそ侵略国と思うが、世界は逆に「尖閣は日本が帝国主義的に奪った領土」と見る。南京大虐殺や従軍慰安婦など「戦争犯罪」問題も再燃し、日本は、中国の巧妙な外交策によって孤立させられる方向にある。

日本経済を自滅にみちびく対米従属
 【2013年1月29日】 もし日本が、質素倹約の国民性に沿って黒字を増やし、隆々と発展を続けていたら、米国はアジアの地域覇権を日本に押しつける態度を強め、日本は対米従属を続けられなくなっていた。それは困るので、日本の官僚機構は、90年代初めの金融バブル崩壊を長引かせるとともに、経済再建のためと称して財政赤字を急拡大させ、先進諸国で最悪の財政状況にした。日本国債や円の格付けを意図的に引き下げ、米国から覇権を押しつけられないようにした。米国は、アジアの地域覇権を日本に譲渡することをあきらめ、代わりに中国に与えることにした。このような流れの末に、今の崩壊寸前の日本がある。

ドイツの金塊引き揚げがドル崩壊を誘発する?
 【2013年1月22日】 ドイツは、EU統合が進んできたので米国の覇権が崩れても良いと考えている。だから、米連銀の世界支配からの離脱を意味する、米連銀金庫からの金地金引き揚げを挙行するのだろう。これは1960年代後半、ドゴールのフランスがドル売り金買いやNATO脱退を敢行し、ニクソンショックや冷戦終結、EU統合へと進むその後の世界の流れの形成に寄与したのと似ている。50年前にフランスが金地金で米覇権を揺さぶったように、今またドイツが金地金で米覇権を揺さぶっている。

中国と対立するなら露朝韓と組め
 【2013年1月18日】 米国はいずれ中国との和解に転じる。日本は対米従属できなくなり、自立的に中国と渡り合わねばならない。日本が今のうちにロシアや北朝鮮、韓国と協調しておけば、中国と渡り合う戦略がいろいろ考えられるが、ロシアとも北朝鮮とも韓国とも仲が悪いまま、米国に頼れず独自に中国と対峙せねばならなくなると、日本は窮してしまう。

独裁化する2期目のオバマ
 【2013年1月15日】 来週から2期目に入る米国のオバマ政権が、2大政党間の対立が解けず決定不能の傾向を強める米議会の意向を無視し、議会を通す民主主義のやり方をせず、議会を回避して大統領権限でやりたい政策をやる、独裁の傾向を強めようとしている。最大の案件は外交問題だ。議会多数派の共和党が、好戦的な世界戦略を変えることを拒否しているのに対し、オバマ政権は、財政難で軍事費の削減が必要なので好戦策を続けられないとの理屈で、議会の批准が必要な条約の締結などを経ず、国際協調策に転じようとしている。その筆頭は、ロシアとの相互核軍縮だ。

2期目のオバマは中国に接近しそう
 【2013年1月12日】 ヘーゲルとケリーの閣僚就任が日本にとって重要なのは、2人が中国と協調する姿勢を持っている点だ。彼らは、米国が軍事的・政治的に世界のことに介入しすぎて米政府の財政難を招いているので、台頭しつつある中国やロシアへの敵対をやめて、中露やブラジルなどBRICSや他の諸国が国際問題の解決に努力するのを後押しし、米国の国際介入の負担を減らすべきと考えている。

悪者にされるイスラエル
 【2013年1月9日】 英国がイスラエルを戦争犯罪の加害者扱いしたのは初めてだ。戦争犯罪の構図はもともと第二次大戦で英国が仇敵のドイツに恒久的に「悪」のレッテルを貼るために創設した考え方で、その後、ソ連やサダム・フセインなど、英米にとって都合が悪い勢力に難癖をつけて戦争犯罪のレッテルを貼ってきた。ナチスドイツの「ホロコースト」の「被害者」であるイスラエルは、ドイツを脅して金を取り続け、これまで戦争犯罪の構図の中の勝者・受益者だった。国際社会がイスラエルを従来の「善」から「悪」へと突き落とす流れが明確化している。

終わらない米国の財政騒動
 【2013年1月6日】 右肩上がりだった90年代の財政再建時と対照的に、現在の財政赤字削減は非常に難しい。軍産複合体は911事件で復権した。クリントン時代に急拡大した債券金融はバブルと化し、リーマンショックの大崩壊を生み、その後の金融界はドルと米国債の覇権を食いつぶしながら何とか延命している。90年代と正反対の悪い環境の中で、米国が財政再建するのはほとんど無理だ。


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